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西にセルガーンを臨む山腹の町、トランダース。
帝都が炎上して数年、国境線の警備と監視が一層強化され、
夜は絶えぬ篝火が山に連なる様は要塞そのものに見える。
一方、彼の国はその後一斉に情報統制を行い、不気味な沈黙を続けている。
休戦協定を結んでいない為、未だ戦時下と言えるが、事実上は休戦状態にある。

敵国の、それも都への襲撃を成功させておきながら、最終的に滅ぼすに至らなかったのは、
帝国側の反撃による処も大きいが、最大の原因は兵站の弱さであろう。

山脈に守られ、陸海軍に加え、竜という文字通りの飛び道具を持つ。
敵国にしてみれば、三軍を揃え、攻め難く守り難い相手であろう。
しかし精鋭の空軍だけが突出して強く、他はともに練度が空軍に及んでいない。
従って、一手で王手を掛ける大技を成功させる事が出来ても、
後詰めを欠く為に、戦線を維持する事ができず、戦争に勝つ事が出来ないのだ。

皮肉にも、この戦いにより戦争における制空権の重要性が証明され、
各国の最重要軍事課題と目される様になった。
帝国では、今年も空軍への予算増額が可決されている。

王国は先の戦で敗れる事は無かったが、勝つ事ができず、
虎の子の竜騎士団も食い潰してしまった。
結局のところ、三軍を維持する膨大な軍事費だけが残り、
財政の構造的圧迫が、慢性的な国家財政の悪化を招き、
物価の高騰と通貨膨張となって現れている。

諸説あるが、帝国が弱り目の王国を潰しに掛らないのは、
最終的に敵を打ちのめすのは経済である。と予見している見方が強い。
目に見えぬ戦争。銭の戦争を制する者が次の時代の覇者であろう。

国家の滅亡もまた呆気無いものである。
何故に先の見える戦を仕掛けたのかは分からぬが、
講和か或いは他国との同盟か、既に切り札を切った王国に選択肢は少ない。

そう考え、老人は讀賣から目を離した。
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