▪▪クロスデン・トリビューン▪▪ 3.16_Monday
■ ランバーマスター(斧) 【分類:斧】【武】
価値:4980G
【斧】 耐久値:9(×2) [片手] リーチ2 攻撃力:3 [必要筋力:10]
[魔力] [レア]
防御-1 命中値[物]+1 与ダメージ[物]+1
食料発見率増加 武具素材発見率増加 仕事遭遇率増加
都市部における高齢者の就労促進の切り札として開発された。
老人にはありがたい、背筋の強化補助を与える斧。
立案は帝都福祉部及び財務府、開発製造は帝国軍造兵廠。
現在試作段階の為、市井調査の為に一部が民間に流れている。
国府三機関の合作と言えるが、それぞれで異なる開発理念を、
超高度の技術力で無理矢理に実現化させた為か、
俯瞰して見ると実に纏まりを欠いた出来となっている。
既知の通り、開発製造を担当した帝国軍造兵廠はレイガルコインや
レイガルマヨネーズの製造に携わるなどの噂が絶えない機関※1である。
培った技術を、考えなくかつ惜しみなく注ぎ込んだ珠玉のアイテム群は、
熱狂的なマニアの憧れの的であり、「変態アイテム」の名で親しまれている。
比較的入手が容易でバリエーションが存在するレイガルコインにはコレクター※2も存在する。
元の開発理念が高齢者の就労促進であるため、都市部においては短期労働、
農村部においては農作及び自給力向上で、この時点で一応の完成と言える。
その一方で攻撃力が高く、また素材発見率増加が付加されている面については、
帝国軍造兵廠の意地と威信と都合が見て取れる。
作品としての評価は、総合的にやはり纏まりを欠くが、
既存の多機能器具に見られる取扱いの悪さが無い点は高く評価せざるを得ない。
耐久力も、強化処理が施されており、このグレードなら申し分無しと言えよう。
難点は既存の弱点を克服するために、使用者への負担が重くなった点。
また、よりにもよって斧をベースとしたため、武器としての安定性は低い。
何故に斧をベースとして採用したのかであるが、
ランバーは背筋の他、木材といった意味も持つ。
開発製造を担当した帝国軍造兵廠としては、単なる背筋強化よりも、
筋骨隆々な樵、薪割りの達人的な趣意を反映させたと見る方が自然であろう。※3
武器としては佳作の類を出ないが、
帝国精神、象徴性を色濃く反映させたという意味では、
そのユニーク性とジョーク性が程よく効いた類稀なる一品と言えよう。
※1.公式には認めていない。
※2.コレクター曰く「白々しく打たれた帝国造幣局の文字が実に尊い」との談。
※3.軍綱領五. 軍隊は常に攻撃精神充溢し..要約「軍部たる者、マッチョたれ」
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レイガルコインを準備していると、やたら遭遇率が上がる彼らは、
実はレイガルコインの熱烈なコレクターか転売屋という事になりますが、
あんな益体も無い物に入れ上げるのですから「太え奴ら」で当然なのです。
さて、個人的にレアアイテムには3種類あり、
1.なんか伝説の武器
2.古代の超技術で作られたもの
3.現代の超技術で作られたもの
に分かれます。ゲーム的には1と2が一番親しみがありますが、
3を妄想してみるのも中々オツなモノです。
今回、ファン・B・ルビーさんの所で半ば置物(ランバーだけに..)と化している
ランバーマスターを題材に扱ってみましたが、この話の設定としては、
本来福祉器具(杖とか車いす)の延長にあったはずの物が、
それぞれの思惑を詰め込んだ結果、なぜだかパワードスーツが
出来てしまったというようなアンポンタンな話です。
そんなLet'sアベンジャーも福祉的はユニバーサルデザインと言えるので、
正解といえば正解(暴論)なのですが、一足飛び過ぎだろという話。
でもこうした話は、現実でもしばしば耳にしますし、
ド変態アーティファクトと讃えられる武器・兵器も数多く存在します。
それらは、やたら高すぎる要求に答えようとして出来た物から、
技術の粋を結集させて出来上がった「どうしてこうなった」物まで、
技術の革新と進化、それに纏わる発見と妥協と袋小路のラビリンスの怪は、
栄光と挫折の物語であり、しかも日が当たらないという浪漫の塊です。
まあしかし。ランバーマスターって多分に非戦闘職寄りの道具ですが、
売れてないのは、詰め込み過ぎて実用場面が思いつきにくいのかなと思います。
本文に従うなら、何も考えず使う≒マッチョな使い方が正しいのかも。