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年年歳歳花相似歳歳年年人不同
 
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肢体の痺れと発汗、動悸を覚えつつ、見上げたは老たる大蜥蜴。
数度の対峙で討ち果たすに足りぬと判断した老人の一手は、
極限状態から力を引き出すというもの。

伸ばした腕から、武器の先まで血が巡る感覚。
乱れた呼吸に息吹を放ち、老人は地を蹴った。
対峙して分かる相手の力量とは、大凡構えの型と重心、
筋量や視線の向き、緊張の弛緩など総合的な情報から推測される。

対峙者と拮抗すると「見」が長くなるのは、
相手を崩す為、機微を足掛かりにする必要があるからである。

尤も此れが難しく、隙か罠かの識別に加え、予想される手と、対応する最善手の優劣の見極めが最低必要になる。相手を斃すまでの道筋を考えると、思考にも集中力を割かざる得ず、此れが隙になる。

ゆえに、組んでからの隙を消す為に、組稽古・型稽古を行い体に最速最良を染み込ませる。流派の特典とは此れであり、実力者とそうでない者の差は、組んだ後の打ち込みと捌きに如実に現れる。

斯く内練では、老人は一定の強さに達していたのであるが、専ら相対するは人の外である。老人の武器とは経験と狡猾さ、そして己の攻撃半径を結界とし、相手の此れを潰して崩す概念、即ち「間合」であった。


あの時、心は青かった。
しかし記憶の何処を探しても、凡そ青春と呼べる時代は存在しない。
咲くはずだった花は、莟のまま人知れず落ちて、
野曝しのうちに黒ずんで腐っていったのだろう。

元より根が腐ってたのかもしれないし、
養分が足りなかったのかもしれない。
そもそも莟はあったのか?
知らず枯れた心は、何も映さず、
何も感じる事が出来なくなってしまった。
あの時。心は確かに青かった。


 
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