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コツは後ろから刺す事だ、対峙して遣り合うのは二流以下。
行動の全て。好き嫌い、性格、飯の時間からクソの時間。
家族、仲間、女まで全て調べ上げ、気取られず、
こちらが優位なまま、ブスリと殺るのが好ましい。

師匠の言葉だ。
盗賊上がりの卑劣漢。殺して全てを掻っ攫い、
女は犯して殺すか売っ払い、餓鬼も殴って泡銭に変えていた。

たまに吐き気がするクソの様な人間だったが、
仕事の腕はまた確かで、クソに拍車が掛かっていた。
そんな男の最期は、やはり後ろからブッ刺され、
ドブ川で糞にまみれて浮いていた。

ペシュカドの切っ先を研ぎ終わると、
刃先を指で丹念に確認する。
以前は無心の作業だったが、最近やたら雑念が入る。

短剣を腰に留めると、青年は部屋を出て、
階下の酒場、カウンターの隅に静かに腰掛けた。

「よう、また首を取ったそうじゃねーか。景気が良いな。奢れよ。」
向こうのテーブルで、女を二人侍らせた大男が大声をあげた。

「こちとら賞金の半分以上が経費で飛んでんだ。奢ってる余裕はねんだよボケ」

「ガハハハ、名うての首刈りカスヤロウも、自分の首は回らねえってか!
 景気づけに首切り落として、ゲロでも流し込んでやろうか!」

大男は下品に笑うと、立ち上がり振り返る事もなく女を連れて店を出て行った。

「全くここのヤツらときたら、クズで下品でその上アホだな。」

嘆息し、温いエールに口を付ける。
不味い。水で割り過ぎた色水に更に気が滅入る。

「そうだよ〜。君を含め、ココは下品でクズでその上アホばっかりなのだよ」
「オメーも酒とタバコと女さえあれば万歳なクチだろうがボケ!」
「クソを舐め合うお優しいお友達だろうが、黙ってさっさと奢んだよ!クズ」

いつの間にか同業のゴロツキに取り囲まれている。
やっぱりこいつらクソだ。銀貨の入った袋を投げて寄越すと
程なく乱痴気パーティーが始まった。最低だ。
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