花村流には「雲(くも)」という概念がある。
雲とは運の隠語であり、即ち足運びを指す。 此れも型稽古と同じく独特の歩法であり、 主な作用としては、相手の動き、重心を制し そうと気づかせぬまま相手を崩す。 或いは、必殺の体勢に入る事ができるという奥義である。
この奥義を技ではなく概念とするのは、 技と呼ぶには、具体的な体系化が成されていない為で、 この概念を発見したとされる花村も、終ぞその雲を掴む事が叶わなかった。花村から玄斎に至り、幾つかの定石は残されていたが、 彼我の体格、体重、利き手、流派、癖により調節を要す為 玄斎自身、やはり技というより概念と判断していたが、 「寄せ」の裏付けとして、一つ大きな光としていた。
雲とは運の隠語であり、即ち足運びを指す。 此れも型稽古と同じく独特の歩法であり、 主な作用としては、相手の動き、重心を制し そうと気づかせぬまま相手を崩す。 或いは、必殺の体勢に入る事ができるという奥義である。
この奥義を技ではなく概念とするのは、 技と呼ぶには、具体的な体系化が成されていない為で、 この概念を発見したとされる花村も、終ぞその雲を掴む事が叶わなかった。花村から玄斎に至り、幾つかの定石は残されていたが、 彼我の体格、体重、利き手、流派、癖により調節を要す為 玄斎自身、やはり技というより概念と判断していたが、 「寄せ」の裏付けとして、一つ大きな光としていた。
肢体の痺れと発汗、動悸を覚えつつ、見上げたは老たる大蜥蜴。
数度の対峙で討ち果たすに足りぬと判断した老人の一手は、
極限状態から力を引き出すというもの。
伸ばした腕から、武器の先まで血が巡る感覚。
乱れた呼吸に息吹を放ち、老人は地を蹴った。
数度の対峙で討ち果たすに足りぬと判断した老人の一手は、
極限状態から力を引き出すというもの。
伸ばした腕から、武器の先まで血が巡る感覚。
乱れた呼吸に息吹を放ち、老人は地を蹴った。

